Southwest Part 2 

Cockington village Torquay Paignton Coleton FishacreTotnes Dartington

 

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Cockington village

 

 

緑のトンネル  (コッキントン・ビレッジ)
A green tunnel (Cockington village)




暑い日差しの中を歩いてうっすらと汗ばんだ体には、緑のトンネルは最高のプレゼントだ。涼しさに加えて、柔らかな緑の階調が見た目に清々しい。
7月も終わりだというのに、ここイギリスの緑は十和田湖の新緑のような若々しい輝きを放っている。平均気温が低いせいだろうか。
私達はコッキントン・コートへ行こうとしてこの道に迷い込んだのだが、どうやらこの道は一般の観光道路とは違うようだ。 道の所々にあるぬかるみは牛の蹄の跡で一杯だ。まだ柔らかい牛の糞も見受けられる。少し前に牛の群れがここを通ったのだろう。
「これぞ田舎の道だ!」
私達は吹き抜けていく一陣の涼風の中で満足した。

After you have walked in the heat of summer, you will find a tunnel of green bush a nice present  for you. It feels cool to your body, and is pleasant to look at. It was already late July, but tree leaves in England looked as fresh as those seen around Lake Towada in spring.. Is it because the average temperature is a little lower here?   We strayed into this lane on the way to Cockington Court. It didn't look like an ordinary route for visitors, for it was muddy and there were a lot of traces of cow hoofs and even droppings here and there. It seemed that a herd of cows had passed a while before.
We were much satisfied with the real country road.  

 

 

 

静かな2人(コッキントン・コートのバラ園・トーキー市近郊)
The rose garden in Cockington Court

 

 

広いバラ園では、バラも盛りを過ぎ、訪れる人もまばらだ。
もうしばらく前から、一組の男女が中央のベンチに腰掛けている。
二人ともずっと黙ったままだ。 柔らかな日差しの中で、時々、鳥の鳴き声がする、
風がそよぐ。‥‥でもやはり二人は黙ったまま。
あれこれ話さなくてもよいだけの、十分な時間が、二人の間を流れたのだろう。

蔦に覆われた古色蒼然とした煉瓦塀の内側にはポールが一定間隔で長方形に並び、その先端を繋ぐように太いロープが張り巡らしてある。勿論このロープはバラを這わせるための物だ。私達は塀とポールの間の回廊をゆっくりと散歩する。まだ残っているバラもあるが、大半は萎れかけていて何となく哀れだ。
よく注意してみるとポールにも、所々に置いてある木製のベンチにも小さな金属のプレートが貼ってある。読んでみて分かった。英国では死者の思い出のために、公共の場へ、ベンチなど何か役に立つ物を贈る習慣があるのだ。  

   その一つ………「愛すべき思い出
              ジョイス・ハント/1919年8月26日−1993年8月6日
                       私達はいつもあなたを愛し、思い出します」

Roses are overblown and there are only a few people in the rose garden now.  
A man and a woman have been sitting on the bench for a long time. 
They have been keeping silence. 
Every now and then birds sing and breezes rise in the soft sunshine. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  
Plenty of time may have passed away between the two.
And they don't need to talk away.  

 

 

  花に埋もれた扉 (コッキントン村)
The door closed by the flowers  (Cockington village)

 

 

英国人の花好きは有名だが、この家では花のためについに扉の一つを犠牲にしてまったらしい。つい、「朝顔につるべ取られて貰い水」の句を連想してしまった。
色とりどりの花をミックスする手腕は彼等のお得意であるが、水平方向だけではなく垂直方向に花を配置するセンスもなかなかのものだ。暗くなっても花が浮かび上がって見えるようにと、電球までセッ トしてある。
これも、自分達だけが楽しむのではなく、通りがかりの人たちの目を楽しませようという、いわばボランティア精神の発露ではなかろうかと、思ってしまった。 
ともかく、英国では、どんな田舎のどんな粗末な家でも家の周囲をきれいに草花で飾りたてている。ここに見られる沢山の花はどれも見事に咲いているが、枯れた花が一つも見当たらない。毎日愛情を込めて手入れしているのだろう。
     

 


緑のアーチ

 

 

フクシアと蜂 (コッキントン村)

英国ではフクシアが至る所に咲いている。種類も沢山あった。

 

 

茅葺きの民家 (コッキントン村) A thatched roof (Cockington village)

 

 

 

村の売店 (コッキントン村) (Cockington village)

 

 

 

ショーウインドウ (コッキントン村) (Cockington village)

 

 

 

コッキントン・コートのステンドグラス

 

 

 

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Torquay

 

 

トーキーの天使 (トーキー市) Angle in Torquay

 

 

ここは英国のリビエラと呼ばれ、アガサ・クリスティーの生まれ故郷としても有名な町トーキーである。 日本ではそんなに人気があるわけではないが、英国では海に面したリゾート地として有名で、町全体明るく、少しおしゃれな雰囲気もある。また海の色の美しさも格別である。
私たちはここに宿を見つけることが出来ず、隣町のペイントンに宿泊したのだが、有名なフィッシュアンドチップスの店があると言うことで、それを捜しに来たところだ。
海岸線沿いの道路から丘に登ってきた所で古そうな教会を見つけ、覗いて見ることにした。残念ながら鍵が掛かっていて中には入れなかったが、入り口付近の壁にくっついている小さな天使の像に目が止まった。大昔に火災にでも遭ったのだろうか。所々黒く焦げていて、表面は剥離し、なんとも無惨な姿である。このままほおっておいたなら、間違いなく近い将来には風化して無くなってしまうであろう。 痛々しくはあるが、じつに可憐な表情で、しっかりと合わせた両手の様が実に可愛らしい。 このような小さな優しい存在に何百年という歴史の重荷を負わせることは少し酷ではないだろうか。そんな気がしてしょうがなかっ た。
日本に帰ってから、何とかこの像が保存できないかと、地元の新聞社に教会宛の写真と手紙を送ったが、教会からも新聞社からも何の返事もなかった。しばらくしてペイントンの知人からこの写真入りの記事が掲載されたと知らされた。記事には載せてもこちらに連絡はしてくれない、困ったことだ。

 

 

 

有名なフィッシュ・アンド・チップスの店

 

 

 

写真を撮っているのに気付きポーズを取る客達

 

 

 

これがフィッシュ・アンド・チップス

ここのフィッシュ・アンド・チップスは他のどこよりも旨かった。地元の人はレモンや酢をかけて食べるが、私には塩や(もしあれば)醤油の方が合うように感じた。
丸めて置いてあるのは新聞で、新聞で包んで食べる方が気分が出る方は(あるいはこれに包んで持ち帰りたい人は)どうぞ、と言うことらしい。

 

 

トーキーの海と丘 a view of Torquay

 

 

 

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Paignton
National Trust

 

 

 海 の 家  (ペイントン) Paignton 


このカラフルな小屋の群れは、海の家である。 この小屋達の向こう側に海があり、海に面しても背中合わせに小屋が並んでいる。利用者はお金を払って鍵を受け取り、借りた小屋の中で着替えをする他、中に用意されているデッキチェアーを外に出して日光浴することもできる。
英国で車を運転した初日で、エクセター、キラートンと長時間運転して、とても疲れていたが、ようやく迷い迷いペイントンにたどり着いた。 何度人に道を聞いたろうか?
ペイントンの海岸を走っているとふとこの建物群が目に止まった。地平線に近づいた夕日が町全体を照らしているが、バックの空が暗いため海の家が浮き上がって輝いている。この光景があまりに印象的だったので翌日夕方再度行ってみたが駄目だった。

 

 

 

8.ロスリンホテルの主人夫婦と (ペイントン)  Rosslyn Hotel ( Paignton ) 

 

 

約束の時間より少し遅れて今夜の宿「ロスリンホテル」に着いた。 ここはホテルと名が付いているがB&Bの仲間である。 他のB&Bのように副業的にやっているのではなく、宿泊業を生計としてやっているのでホテルと名が付くのだろうか。
このようなタイプも含め、B&Bではイブニングミールの時間は決められていて、もし食事も予約していたならその時間を守らなくてはいけない。少しでも遅れるとさっさとキャンセルしてしまうところもある。何とか間に合って良かった。 

ベルを押すと主人が愛想良く我々を迎えてくれた。 私は日本から来たこれこれであなたの所に予約している者だが・・・と、かねてより練習していた挨拶を言おうとするのだが、彼はそれを遮るように何か言っている。 が、全然理解できない。 私よりは英語に強い妻の顔を見るが彼女も首を傾げている。彼の英語はとても訛りが強いのだ。
・・・・思い出した。 日本からここに予約の電話を入れた時に大変苦労させられた、あのオーカイのおじさんだ。 電話でこちらの希望を伝え大丈夫ですかと問うと、「オーカイ」と語尾を上げて答える。 意味不明で何度聞き直しても「オーカイ」。 語尾を上げられると何か聞き直されているようで納まりが悪い。 が、その内これは「オ−ケー」のことと気付きようやく電話を切った次第・・・・
首を傾げていた私達にしびれを切らした彼は外にでて地面を指さし、ドアを閉めるしぐさをした。 地面には羽蟻のような虫が一面に転がっている。 察するに、虫が沢山いるから荷物を中に入れて先ずドアを閉めてくれという事らしい。 

案内された3階の部屋は豪華ではないがこざっぱりしていて小さなシャワールームが隣接している。窓は通りに面していて、向かいのレストランやホテルの様子がよく見える。 リゾート地らしい活気と仕事から解放されたのんびりとしたゆとりが通りから漂って来て何となく嬉しくなった。食事が済んだら散歩に行こう。 夏の英国は日が長い。

主人のボブは大変に陽気な人で、いつも口笛を吹いている。何か面白い事を思い出したり見つけたりすると、言葉が通じない我々にも何でも話しかけてくる。 最初は我々も目をぱちくりさせているが、何とか通じさせようという彼の熱意が効を奏して、やがて我々も理解し笑顔の輪が出来る。
1日目の食事が結構旨かったので2日目も依頼すると、今晩は妻と外出なので向かいのレストラン「エンバシー」で食べてくれと言ってから、いろいろそのレストランについての説明を始めた。海鮮料理が評判いいこと。ビールも特別旨いこと。そこの主人は大変に歌が上手で毎晩バンドを呼んではワンマンショーをする事。しかし彼は怒ると怖いのでこれこれのあだ名が付いている、と言ってから、これは内緒だよと言わんばかりにしーっと口に指を当ててからウインクした。茶目っ気たっぷりの彼の表情に私達も笑ってしまったが、その店でうっかりそのあだ名を口にしないようにしようと心の中で用心した。

夕方レストランに行くと、話が通じているようで、ウエイターは気持ちよく注文を聞いてくれた。店は大きく2つに仕切られ、手前がレストランで椅子席、奥の方はパブになっていてカウンターの前で沢山の男が立ったままビールを飲んでいる。(上の右の写真) 私達が海鮮料理に舌鼓を打っていると、やがて主人のワンマンショーが始まった。 なるほどフランクシナトラばりのとてもいい声だ。 上の写真の奥の方でライトを浴びているのがそれだ。 ワンステージ終わったところでカウンターにビールを取りに行くと、丁度主人がハンカチで汗を拭いながら小さなステージから降りてきた。 私と目が合うなり、ボブの所に泊まっている日本人だね、と話しかけてきた。 そうですが・・・、ボブから話は聞いていたゆっくり楽しんでいってくれ・・・、 有難うあなたはとても歌が上手だ、良いレストランに来られて良かった・・・、本当にそう思うか・・・、握手握手握手


 

9.鬼ごっこ (ペイントンの海岸にて) Playing tag ( Paignton )

 

 

 

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Coleton Fishacre
National Trust

 

 

コールトン・フィッシュ・エーカーの中心となる建物

 

 

 

コールトン・フィッシュ・エーカーからの眺め

 

 

 

釣り竿のような花

 

 

 

コールトン・フィッシュ・エーカーの不思議な花

 

 

 

名前を忘れた木

 

 

 

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Totnes

 

 

マックラケン氏宅にて (トットネス) 



1991年のナショナルトラスト全国大会で私は地域の実践例として発表を依頼された。
函館西部地区の景観を高層マンションからいかにして守ったか、と言う内容である。
この時、英国ナショナルトラストからの来賓としてL・マックラケン氏が来日した。 彼といろいろ話す内、絵が大好きだというので、私が描いた絵葉書をおみやげにプレゼントした。彼はそれをとても気に入ってくれて、帰国後丁寧な手紙をくれ、それ以来文通している。 実はこの英国旅行も彼が是非来て英国の風景を描いて欲しい、と誘ってくれたのが発端となっている。 知り合った当初は彼はロンドンに住んでいたが、その後退職し、イングランド南西部のトットネスと言うところに家を持った。 200年ぐらい経った石造りの農家を購入し、その内装をモダンに改築して住んでいる。 英国富裕層では彼のように田舎に別荘や住宅を持つのが夢である。勿論周囲には芝生を貼り、色々な植物を育ててそれを眺めて暮らす。 それが彼等にとってまさに至福の時なのである。 庭の他、ベランダに面して温室のようなものが設置してあるが、彼が日曜大工で作ったようだ。 奥さんが、昨年の夏うっかり温室の戸を閉めたままにしていたら、大変な温度になり飾りのローソクや樹脂製の器具が熱でゆがんでしまった、と身振り手振りおかしく話してくれた。

 

 

 

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Dartington

 

 

 

ダーティントン・ホールは音楽セミナーで世界中から音楽学生が集まっている (Dartington Hall)

 

 

音楽祭のプランを練る学生達 (Dartington Hall)

 

 

 

遊ぶ子等 (Dartington Hall)

 

 

 

石垣沿いに植えられた花々 (Dartington Hall)

 

 

 

礼拝堂は壊され、鐘楼だけが残った (Dartington Hall)

 

 

 

日向ぼっこをする老人達 (Dartington Hall)

 

 

 

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